黒川こころの応援団ロゴ

國分隆展

『石になった魂』の意志と魂

2025.02.07(金) 2025.05.25(日)

OPEN/ 11:00 ~ 17:30
日曜15:00閉館

休館日:毎週木曜日
入館無料

ある時、國分さんは『石になった魂』という油彩画を描きました。 石膏でできたような冷たい仮面が置かれている作品です。 彼は何を思い、この絵を描いたのでしょうか?

芸大受験で多浪しながらも、決して受験用の表現に迎合することはせずに、真に芸術なるものを追い求め続けていた 彼は、やがて進学をあきらめ、人間関係や生活苦などが重なり、精神的に追い込まれていきました。

この頃の作品の変遷を見ると、まるで魂が凍りついたかのような表現の過程を 経て、世界が切り裂かれ混乱しているような状況へと移行していくのがわかります。 しかしその後、彼はこの困難な時期を乗り越え、より芸術の深淵へと歩みを進めていきました。

現実世界においては入院生活という非常に制限のある不自由な境遇に身を置きながらも、 表現をするその瞬間においては、彼の魂は何ものにも縛られずに自由で豊かであったのだと思います。

世間からは知られることのない精神科病院の片隅で、 彼は真に力のある芸術作品を数多く残しました。冷たい仮面の現世にあって、 彼は切り裂かれた世界の裂け目から抜け出し、芸術という最も人間的であたたかみのある 人間的営為に生涯を捧げ続けたのです。

平川病院〈造形教室〉スタッフ
宇野学

イベント情報

::上映映画::

「不安の正体」
精神障害者グループホームと地域

  • 2021年 / 65分 / 日本
  • 製作:NPO法人自律支援センターさぽーと
  • 制作・販売:映像グループ ローポジション

::日時::

2025年4月12日(土)
14:00~16:30
入場無料

::トークゲスト::

飯田基晴

「不安の正体 精神障害者グループホームと地域」
監督

1973年横浜生まれ。横浜在住。1996年より新宿でボランティアとして野宿の人々と関わる。 98年よりドキュメンタリーを中心にさまざまな映像制作を行う。 2006年に映像グループローポジションを設立。2023年にヨコハマDOCSを始める。 2024年度より和光大学で専任教員として映像関係の授業とゼミを担当する。

伊澤雄一

地域活動支援
1956年東京生まれ。大学卒後、相談支援を軸としたボランティア団体の事務局に所属し活動を開始。 共同ホーム(住まいの提供と暮らしの支援をあわせもつ実践)「はらからの家」の創設に関わり初代職員となる。 精神障害の方たちの生活拠点としての機能を強めつつ、その一方市内の精神障害者共同作業所の創設、 都内の共同ホーム実践者たちの連絡会を結成するなど44年の活動経歴あり。 定年を迎えた現在、非常勤相談員として勤務を続け、他の法人の「居住支援相談員」として、住居確保要配慮者への入居ならびに生活支援を実践中。

宇野学

展覧会企画・平川病院〈造形教室〉スタッフ
1973年札幌生まれ。平川病院(造形教室)スタッフ。生きるための術(すべ)の実践こそが芸術と、日々、臨“生”に従事している。

これまでの美術館展


先頭