ギャラリー展示会
nisipiricaと長谷川亮介の
好きなものatギャラリー天沼
会期
2025/12/13 2025/12/21
11:00 ~ 17:00
場所
ギャラリー天沼
仙台市太白区三神峯2丁目2-59
https://gallery-amanuma.com/
開催のごあいさつ
このたび ギャラリー天沼 にて、初となる企画展 「nisipiricaと長谷川亮介の好きなもの」を開催いたします。
本展では、アトリエnisipiricaで日々生み出されている 手織り作品の展示と販売を行います。 自由な発想と独自の色づかいから生まれる nisipirica の織は、 日常の中にそっと寄り添う “好きなもの” の世界を広げてくれます。
また、今回の展示では、 かつて にしぴりかの美術館 でご紹介し、 つい先日まで 寒河江市(11月26日まで) で展示されていた 長谷川亮介さんの作品もあわせて展示いたします。 一つひとつの作品に宿る感性と温度を、 ギャラリー天沼という新たな空間でお楽しみいただけましたら幸いです。
皆さまのお越しを心よりお待ちしております。
長谷川亮介 フットプリント
2022年「不断の表現展」より
生きるということは、苦悩の連続であります。人間は心が乱れていれば、この世はすぐに地獄となり、心が安定していれば、この世は平和だと思うのです。大学を卒業し、会社勤めをしてお給料をもらう。そんな安定した大人に、僕はなりたかった。
しかし、幻聴、心臓病、嗅覚障害、対人恐怖、不眠症などがあり、僕にできることは限られています。心の苦悩は、本人でなければいくら口に出して言っても、その辛さは伝わらないと思います。
以前は、5秒として落ち着いて座っていられない苦しい切迫感が続いていたこともありました。
大学を卒業後すぐに心の病を患い、千葉の病院に入院しました。あまりに酷い環境と仕打ちだったため、ある日、意を決して脱走しました。朦朧とする意識の中、なけなしのお金をすべて10円玉に変えてもらい、命からがら実家に電話をして迎えに来てもらいました。その3日後、心臓病を併発し、ペースメーカーの手術を受けました。医師には「20代でペースメーカーを入れるのは日本に300人しかいない」と言われました。
その後、手に職をつけたいと思い飲食店でアルバイトを始めましたが、幻聴や不眠症に苦しみ、仕事も人間関係も長く続きませんでした。「これではダメだ。自分でお店を持つしかない」と決意し、資格を取り、長い年月をかけて家族で店を持つことができました。けれども心身ともに疲弊しきっており、毎日がとても辛かった。家族に言わせると、その頃の僕は、話すことも行動もめちゃくちゃだったそうです。
お店を家族に任せ、心の健康を取り戻すため、40歳の時に平川病院に入院しました。そこで運命的に安彦先生と〈造形教室〉に出会い、退院後も通うようになりました。もともと音楽が好きでギターを弾いていましたが、絵は子どもの落書きよりも下手でした。初めてアトリエを訪れた時、みんなが真剣に、活き活きと絵を描いている姿に驚きました。
退院後しばらくは、もっぱら家で描いた作品をアトリエに持ち込み、みんなに観てもらっていました。シャープペンシルで下描きをし、気に入る線になるまで何度も描き直し、最後にボールペンでなぞって色を入れました。下手くそだけれど個性的な、自分の絵が出来上がりました。
その後も試行錯誤を重ねながら、心の苦悩の一瞬一瞬を切り抜けるために夢中で描き続けました。やがて江中さんや音楽をモチーフにアクリル画を描くようになり、都展に入選した時には「僕にも出来ることがあった!」と大喜びしました。 この作品集に掲載された作品は、どれも豊かな才能から生まれたものではありません。躁鬱や対人恐怖など、心の苦悩の中で、絵を心の支え、杖として描き続けたものです。今あらためて見返してみると、どの作品にもその瞬間の心が刻まれ、二度と出せないタッチで描かれていることに気づきます。それらは、僕の生きてきた証として残されたフットプリント(足跡)なのだと思います。




